石膏を固める接着剤
アバターをフィギュアにするというWOWファンからの需要は高いと判断したフライス氏は、フィギュアを制作する事業で起業を決意。マイクロソフト時代に培った人脈を生かし、WOW製作会社ブリザード・エンターテインメントからフィギュア印刷の許可を取得した。 StarCraft2 フィギュア
その後、約1年掛かりで独自ソフトを開発。利用者は、フィギュアプリンツのサイトに、フィギュアにしたいアバターの名前を入力するだけ。入力後、自動的にWOWのサーバーに接続され、そのアバターの3Dデータがダウンロードできる仕組み。さらに、ダウンロードしたアバターのデータを40種類ものポーズから簡単に指定できる。ここで完成したデータをネット経由でフィギュアプリンツに転送すれば、あとは完成したフィギュアが自宅に届くのを待つだけだ。
3次元プリンターがフィギュアを固めてつくる、3次元印刷とはどういう過程を踏んでできるのか説明しよう。3次元プリンターは紙を使わない。プリンターはまず初めに、紙の代わりに白い石膏の粉を薄く土台(写真右上の部分。この下部にある箱の中で形成される)に広げ、その上からデータにそってインクを放射していく。インクの色はカラー3色に透明を加えた全4色。インクの中には石膏を固める接着剤が混ぜられているため、必要な部分だけが固まっていくという仕組みだ。この薄い石膏の層をプリンターが何重にも重ねて立体を形成していく。「1インチ(約2.5センチ)の高さを印刷するのに、約1時間かかる」(フライス氏)という。 部族のエリア
フィギュアは約8時間で印刷完了。余分な石膏を手作業で振り払い、着色されて固まっている立体部分を丁寧に取り出す。フィギュアの強度を補強するために特製の液体接着剤につけこみ、オーブンに入れて乾かす。最後に、アバターの名前入りの木製の土台にのせ、ガラスケースに入れれば完成だ。完成したものから順次配送する。